丸5年で肝硬変!

平成26年 いよいよ来たか!
  最初の医師が言った通り、
  きっちり5年で肝硬変を告げられた。

  この日は当然来るかのように容赦なくやってきた。

  病院から家に帰って夫の前では初めて涙を見せてしまった。
  ああ〜泣いてもむなしい。

  治療はやっぱり「肝庇護剤」を飲むだけだった。
  
  この薬は完治を目指すものではなく、
  あくまでも肝臓の働きを助け、進行度を遅らせるものであった。

  薬はまた1錠増えて3錠を1日3回となった。
  
理解者が欲しい
 
  孤独な日々を送る。

  夫には「泣き言」はいいたくない。
  これからの短い人生、くよくよせず笑って暮らそうと
  いつも話していた私たち。

  私の為に暗い人生に夫を引きずり込むのは
  申し訳ないと思う。
  なるべく明るく(自分のためにも)過ごしたい。

  けど…腹の底から話せる人がほしい。

  そこで市役所に行き
  「肝臓で悩む人の会」はないかと聞きに行く。

  市役所の職員は
  「地域の包括センター」で尋ねるようにと教えてくれる。

  初めて知った「包括センター」
  親切な女性が私の話をきいてくれて
  その優しさにびっくりした。

  その職員さんが「困ったことありますか?
   今まで出来てたことが出来なくなったとか」
  と聞いてくれた。
  「今まで出来てたことが・・・」この言葉を聞いた時
  突然涙があふれ出た。

  その理由
  我が家には室内用の卓球台があり、
  毎朝二人で30分
  ピンポンピンポンと音を響かせながら遊んでいた。

  その音が軽快で、
  今日一日の元気が湧きだして来るかのように楽しかった。

  でも、肝硬変を告げらた日から、
  その音が大嫌いになり
  もう絶対に聞きたくない。
  
  自分の心と真反対なこの音!
  そんな子供じみたことだけど、私には辛い音になった。
  この音を楽しく聞く日が再びくるのか。?

  肝臓の会のことは
  「病院でたずねてみたらどうでしょう」とヒントをくれた。


 コスモス会に入る
 
   病院で『コスモス会』という
  肝臓病で悩む人たちの会を紹介してもらい
  入会した。

  電車で名古屋まで行っては
  会合に出席して勉強、
  その時私と同い年、同じ「C型肝炎の1b型」の人と
  友達になった。

  悲しいときはいつも電話をしては「同病相哀れむ」で
  心から悩みを打ち明けていた。
  辛い病院通いの話にも花が咲いた時もある。




 超 超 うれしい情報
 
  
  その頃、とびきり 嬉しい情報が入ってきた。
  テレビでも新聞でも大大的に発表!報道していた。

  
「C型肝炎は治る時代が来た!!!」と。

  ことしの秋に、インターフェロン(注射)を使わない
飲み薬だけ
  画期的な薬がこの世に登場と言う。

  私も大いに期待して テレビ 新聞 会報など読んだり
  見たりしてその時を待った。
  主治医も「もうすぐ出ますので頑張って待ってくださいね」

  本当かな〜?

                

  あれもこれもダメです
    

   いよいよ秋になり、
  その画期的な薬が出ることとなる。

  飲む前になって「この薬を使う前に耐性検査をします」と医師。

  「ごくわずかの人に『耐性』があるので 
  そのひとは、この薬が使えんません」と医師が言う。
  ?「耐性変異」というらしい。?

  その検査は、T本血を採るだけの検査だけど、実費で2万以上払わされた。
  結果待ちは(なんと)1ヶ月先!

  不安と共に待っていた検査の結果!

  医師「残念ながら、あなたは耐性があるので薬はつかえません」
  と悪魔の声がした。
  
  「承知で使ったらどうなりますか?」
  医師「あとどんな良い薬が出ても効かなくなるんです」
  何と言う厄介なことを…
  
  インターフェロンもダメ、待ちに待った初めての新薬もダメ
  涙も出ない。

  医師「ちょっと先だけれど、2年先にはもっといいお薬が
   出る予定なので何とか待ってくださいね」  
  
  つらい私の気持ちとは裏腹に
  テレビはC型肝炎新薬のニュースに明け暮れていた。


  納得できず
   

   名古屋の友達はどうだったのだろう?
  早速電話で聞いてみる。
  友「私は検査なしでサッとやってしまったよ」

  不思議も不思議
  こんな大事なことを医師によって違うのか。

  居ても立っても居られない。
  次の日、お友達の通ってる名古屋の病院まで出向き
  診察と同じ形で
  その肝臓専門医に会ってきた。

  専門医は「お年寄りは2年先まで待てないと思い、
  一か八(バチ)かで始めました」
  へ〜〜〜(゜o゜;)

  そんな無謀な!

  その考えがいいのか 私の主治医のように
  慎重派がいいのか?

  肝臓の会の会長さんにその話をしたら、
  「耐性のある人がこの薬を使うと大変なことになる」
  「無謀はダメだと思う」
  「次の新薬まで待った方がいいと思う」と
  言ってくれた。

  気持が少し落ち着いた。


 2年は待てないかも?


   一番最初のC型肝炎と告げられた時、
  「5年で肝硬変、あと5年でガン」と
  ご丁寧に紙に書いてまで見せられたこと!
  
  肝硬変はピッタリと医師のいうとおりだった。
  「淡々とした顏で本人に言うか?」と思って驚いたことは
  昨日のことの様に感じる。

  今回「次に新薬が出るまで2年待って!」と言われても
  ガンとなるかもしれない日が2年先!では
  間に合わないのではないか?

  でもこれが運命なら落ち着いて待つしかないけど。


                                            27年に続く
 
 
 

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