この日が来た

平成27年夢かと思う
  

  今日も2時間待ちで
  検査の結果を聞くため診察室へ入る。

  主治医「○○さんお待たせしました。
   待ちに待ったお薬がアメリカから日本に入りました」

  「え〜〜そうですか〜???」声は高くて上ずっていた。

  主治医「2年先の予定が1年も早く入ってきたんですよ〜
   間に合って良かったですね」
  
日本ではまだ誰も飲んでいない新薬だ。データーがない!(超高価)

  実験台に乗った様なものだけど
  随分待たされたし、いい薬だそうだから信じよう。

  どっちに転んでも、新しい高価な薬が飲めるなんてしあわせ、
  感謝の気持ちでいっぱい。
  こんな幸せ!
  あと、どうなってももう満足!空を飛びたい気分!



 新薬治療に入る
 

  2015年9月10日から治療に入った。
  日本に入ってきて10日目だ。

  この病院でのこの治療するひとの中では、
  超早い患者だと医師に言われた。

  昔のインターフェロン治療は1週間に1度病院で
  痛い注射をするものだった。
  おまけに副作用がもすごい辛いものみたいだったが。

  今回の私の飲んでる新薬は

  何と!!!

  1日1回1錠、12週(3ヶ月)でおわる。
  
  時間を決めて忘れずに飲むだけ!!!

  飲み合わせてはいけない薬もあるが
  その中に、風邪薬、胃腸薬 サプリメントもダメなものもある。
  
  私はサプリメントは嫌いなので
  飲んでないし、
  胃腸薬は飲まなくても済むように
  食べ物を注意すればよし。

  きれいな血の中に、集中的にこの新薬が流れれば
  効果も大きいと言うものだ。
  今は何も考えず、
  薬を飲むことに集中しよう。

  風邪をひいて風邪薬を飲むと、
  効果が半減するから
  「風邪を引かないように」と注意を受ける。

  風邪をよく引く私には怖い注文だ。
  頑張るぞ!



 宝石に見える!
 
  
  集中と言ってもこの薬1日1回1錠、
  楽ちんである。
  大きくてずっしりしているこの薬が
  私には宝石に見える。ダイヤモンドだ!

  私の命を救ってくれる(かも?)宝石!
  大きくて重くて
  ツルツルで存在感がある。

  巾1センチ 長さ2センチ 厚さ6.6ミリ
  落ち着いて飲まないと喉に引っかかって落ちて行かない。
  アメリカ人向きに作ってあるのかなぁ。

  価格をきけばビックリ仰天だった(@_@;) (ハンパじゃない)


 100パーセント気持ちを込めて
 
  
  今はもう何も考えず、ただ忘れないように
  飲み間違いのない様に集中して
  絶対に治ることを信じて飲んでいる。

  〇と出るか
×と出るか分かれ道に来た。

  どちらに出ても日記に書くのは「今だ!」「今しかない!」
  今まで黙って何も言わなかったが
  「仲良しのお友達に知ってもらおう」か…な…?(迷う)

  なぜこんな気持ちになったのか?
  それはこの治療を信じているから。

  今度は嬉しい涙を流したいと思う。
  治療はもう少し続くけど集中するぞ!




一回でも
 
  
  1回でも忘れると効果は半減する薬。

  この薬は「3ヶ月間」で終わる治療だ。
  泣いても笑っても、「3ヶ月」の挑戦。

  1日1回と言えども、同じ時刻に絶対に忘れず飲むもの。
  
  これはガンに進行するのを「遅らせる」と言う
  
イヤなものではなく
  C型のウィルスを、
「ゼロ」にする画期的な新薬だ。

  これが効けばC型肝炎じゃなくなるの???
  信じられないことが起きるかも。



 夢をもって!
 

  今は2週間に一度の検査にかよっている。

  毎回の検査の結果にビクビクどきどきの連続だ。
  このまま
  C型ウィルスが消えても、
  今までに痛んでいた肝硬変はどうなるの?

  不安にはきりがないけど
  とにかく今は治療に専念の毎日。
  
  体重は少しずつ減り続けて
  体重計に乗るのが怖かったがこれで止まるのか?
  信じてもよいのか?


 不安にはきりもなし
 
  その頃、同じ肝臓教室の仲間5人が
  同じころに一緒にこの治療を始めていた。(病院は別)

  その友達たちは、
  治療を始めて2〜4週間目には
  全員がウィルス「検出せず」になって
  バンザイバンザイト喜んでいたが…

  ところがこの私、一向にウィルスプラス!

  前にも書いたように私には耐性変異と言うものがあり
  新薬が効きにくいと言われ
  今回の治療も、耐性のない人と比べると何倍も効きにくいと
  医師に告げられていた。

  覚悟を決めての中、治療を続ける事8週目!
  やっと
「検出せず」になった!
  その横に「連絡情報あり」と書き添えがある。
  胸がドキンとした。

  おまけに私にとっての宝石は
  後少しで終わってしまうのだ。


 連絡情報あり
 
   いったん会計を済ませて外に出たが
  気になってまた戻り「連絡情報あり」って何か尋ねた。
  看護師さんが「これは再検査をしたという意味です」と。

  再検査をした覚えもないし納得出来なかったけど
  仕方なく家に帰った。

  でも気になるので次の日、わざわざ病院に行き
  同じことを訪ねたが同じ返事「気にすることはない」と言われた。

  人間、気にするなと言われればよけいに気になるものだ!


 検出せず継続中
 
  結局「連絡情報あり」はわからないままで終わり
  つぎからの検査通院は不安の連続だった。

  「ウィルスが再燃したらどうしよう」
  しかし再燃もせず、一日の同じ時間に薬を飲んで、とうとう12週を終えた。
  副作用の苦しみも全くなし!
  ウィルス「検出せず」も継続中!
  「おー!とうとうやったぜ〜」嬉しかった。ばんざ〜い \(^O^)/

  先生「良かったね」
  「ありがとうございます。夢のようです。」
  先生「後、血液検査を毎月一回とその後3ヶ月に一回、
     今の状態が一年続けば一応OKです」
  一応がついているのは、ガンになるリスクが普通の人より大きいんだそうだ。
  まあそれでもいいやぁぁぁ嬉しかった。

OK OK \(^O^)/
   
  そして一か月が過ぎ不安と期待の血液検査!
  肝機能もウィルスもOKOK^^〜^^〜(^_^.)

  二か月が過ぎまたまたOKOK(@_@。

  三か月が過ぎまたまたまたOKOKOK !(^^)!

  (ここで現在に入る)2016年3月1日

  次は少し間を置いて、三か月先の五月に検査となった。不安は消えないけど
  期待も大きい。
  
  つい最近までは、あと二年持たないかもしれないと言われ
  「肝硬変です」と言われ
  肝硬変も「非代償期です」と言われ(ToT)

  でも今では希望も湧いてきて先が明るくなってきた。