『Pink×White=幸』


今日は3/14。世の男性諸君!お財布の中は大丈夫かい?近頃の乙女は強突 張りばかり、隔夕はたけカカシ上忍も義理チョコのお返しにといわんばかりにたかられまくられ月初めだというのに少々ひもじいようだ。

「あ、カカシさんっ!」

新米のくのいちがカカシを見つける。
あ〜…またか。と頭をぽりぽりとかく。モテル男は辛いねぇ…。

……いいように利用されているだけなのだけれでも。


「先日はありがとうございました!」
「はぁ?」

なんの事?

「バレンタインの日、とっても助かりました!カカシさんのチョコ美味しかったです。彼氏も喜んでいました、あ、これお礼です」

ぺこりと頭を下げて、それでは呼ばれていますので…とくのいちは去って行った。

は?

チョコ?



俺が?つくったの?

思わず自問自答。

「自慢じゃないけど、塩と砂糖を間違える程の人間なんだけど、俺…」

くのいちの背中をぼー…とみつめ、となると誰かが俺に化けた?上忍らしく思案しながらその場を去る。

「お礼ねぇ…」

手の中には小さな箱。

開けるべきか開け無いべきか。

「俺が貰う物では無いような気がするなぁ。バレンタインの日に手作りチョコなんか持ち歩いている奴なんざ、…」

手作りねぇ。きっとその人は優しい人なのだろう。
自分も渡さなくてはいけないのに彼女が困っていたから…

しかし、わざわざ俺に変化しなくても…それとも自分の姿じゃ受け取ってもらえなかったから?
彼女に渡したかったのか?うっすっらとだが、くのいちの彼女を思い出す。

「う〜ん…中味はホワイトチョコ?」

近場にあったベンチに腰掛け、小箱を懐にしまい、腕をくみそして…昼寝のポーズ。
ベンチに横になり本格的に寝入りでも可能なくらいの体勢で顔の上にはイチャパラ特別号。
カカシのいつものポーズ。
今日は天気がいい。
任務は無いし、ここは人気が以外にすくない場所だし…。考え事をするには丁度いい。

「あの子はたしか…」

清楚な感じのくのいち。年の功は20歳前後だろうか?あぁ…この間中忍になったばかりかな。そういや見たことがある。紅の後輩だろう、名は…たしか…深雪 だっけなぁ…。

雪のように白い肌は誰かを思わせた記憶がある。

黄金の瞳は誰かの髪の毛のようだと感じだ。

胸に咲く蒼いペンダントはまるで誰かの瞳のように吸い込まれた。


思い描くは金色の天使。まばゆい笑顔が本の隙間から覗く太陽に酷似していて、ついつい顔が緩む。

「逢いたいな…」

バレンタインには逢えなかった。
急な任務に追われ、そして入れ違いのようにあの子に任務が入る。

「7班での任務も今んとこ無いしなぁ…」

上忍の任務が多すぎるせいだ…。

「そういや…」

あの子は貰ったのだろうか。桃色の彼女から。
『義理だからね!』と思いっきり伝えている様が目に浮かぶ。でその後に照れながら黒髪の少年の元へと走り去るのだろう。

「くくく…玉砕したかな」

尊敬する恩師の子供が何故か気になる。ああ…あの子は変化の技が得意だっけ?いたずらっ子の笑みで『やーい、やーい』とはしゃぐ少年。サスケにでも化けて チョコはゲットしたかな?

春の温かい風に誘われて睡魔がやってくる。

心地よい眠りはあの子の側にいるようで…。







「カカシせーんせ、こんなトコにいたってばよー!!」

たこのように唇を尖られた天使はお腹の上にドサッと乗っかった。

「うへぇ…、ナルト重いよ」

苦笑いをしつつイチャパラをどかせば、周りは雪景色。
早咲きの花びらと空から振る白い粉雪。

「ゆ…きぃ?どーりで寒いと思った」

ピンクと白が混ざりあって、なんだかとっても審美的。

「風邪ひくってばよ」
「だねー…じゃぁナルトに暖めてもらおうっかな」

あったかいナルト。
こうしているとでっかいホッカイロを持参しているようだ。

「俺ってばカイロ?」

いたずらっ子の笑みがなんだかとても愛おしくて、太陽の匂いのする髪に顔を埋めた。あま〜いあま〜いナルト特有の薫りに嗅き覚えがある。バレンタインの 日、自宅の玄関に残っていた香り?

「ナルトの匂いっていいね」
「俺、香水なんてつけてないってばよ?」
「それでも匂うんだよ」

太陽の香りがね。ほかほかの布団に顔を埋めた時と同じ、幸せな気分になれるね。

「ナルトは此処まで何しに?」

問えば…

「先生の香りがしたってばよv」

回答になってない答えが返ってくる。


「今日はせんせー暇だってば?」
「んー…暇だけど、先生お金無いから奢ってあげれないよ?」
「?お金?」
「え?ラーメン強請りにきたんでしょ?」
「ばっ…違うってば!!」

抱きしめられながら頭を振ろうとするナルト。ちょっとだけ腕をゆるめてあげれば、何故か茹でタコになったナルトができあがっていた。

「…ナルト…」
「強請りに来たんじゃないってばよ」

じゃあ、なにしに?

「せんせ…」

なぁに?

にっこりと微笑んだのが不味かったのだろうか…真っ赤なナルトはそれ以上モノを言わなくなってしまった。
小さく、『馬鹿』とだけ聞こえたけどネ。

「じゃあね、ナルト。せんせーんちでホワイトデーらしく’ホワイトチョコ’でもたべましょか?」



Fine


Happy WhiteDay  !!
お持ち帰り可能ですv


***追記***
Valentine企画の続きものです。カカシ先生にぶちん?気づくの遅すぎです。(笑)



==================================
    と、言うわけで「狂歌酔月」の高遠さまからいただいちゃいましたvv
    鈍いカカシ先生が何ともいえず、愛を感じますなv
    素敵小説ありがとうございました!
==================================




    戻る