かみさまはいつもオレにキビシイ

 

 

綱手捜索と修行の為に 宿泊してる旅先の宿の二階。

 

 

ごろんと寝返りをうとうとして 上手く行かなかったので 重い目蓋を無理矢理開ける。

「!」

一気に酒が抜けて、冷や汗が出て、夢かと勘違いした。

腕枕状態の中に くうくうと心地好い寝息をたててナルトが収まっている。

 

「なんでオヌシが ワシの布団に入っとんのだ!?」

 

思わず飛び起き、弾みで落ちたナルトから「う〜ん・・・」と不機嫌な声が上がる。

むにゃむにゃ目を擦りながら

「センニンが オレの布団盗っちゃうからだってばよ〜」

「・・・・・・?」

 

掛かっている布団が確かに二枚。

眠ってる間に持ってきたらしい。

 

「・・・フン」

「謝んだろ?フツー!」

プイと横向いた自来也に悪態をついても知らん振りで

大人気ないってばよ・・・と溜息をついた。

 

修行から帰ってきたナルトと入れ違いに出て行くつもりが、予想外に足止めを食らい

自室で酒盛りをはじめ 今に至る。

すっかり酔いも抜けてしまったし、時間もまだ早いので、今から外出しても悪くないと

立ち上がった。

 

「明日から部屋を隣に取ってやるから、そっちでお前は寝ろ」

 

え?と見上げれば 上着を持って出掛ける仕度をしてる。

「何で・・・?」

「勝手が上手くいかんだろう お互い」

「オレ 別にこのままで好いってばよ」

「ワシは あんまり良くない」

一人で決めて スタスタと行ってしまおうとする自来也を引き止めようと 

ビンっと長い髪の毛引っ張る。

「い・・・この!」

効果絶大。

叱ろうと振り返ってみれば 泣きそうな顔で

「オレの事 守ってやるとか言いかけたクセに 

勝手ばっかりすんじゃねぇっての!」

言い返される。

ちくん と、仔犬に浅く噛み付かれたような 小さな痛みが胸に刺さった。

 

 

 

元の状態に戻って 隣同士で床につく。

 

 

「センニン 何かおはなしとかしてってばよ?」

布団から 身を乗り出して ご機嫌。

ワシをじいちゃん扱いか!

「物語とか 知らんからのォ・・・」

これ本当。

「モノカキなのに?」

「うっさいっての」

無邪気に笑うナルトの頬を軽く摘まもうと手を伸ばすと、両手に包まれて頬に寄せられた。

 

「オレさぁ・・・センニンの このおっきい手とか すげぇ好き」

 

正気で居られなくなるような事を さらりと言われる。

 

正直 可愛いと思う。

しかしナルトの求めてるものは 家族的愛情であろうから

恋愛に持ち込む訳にも行かないから でもこれ以上近くに居ると理性は立ち行かなくなりそうで

これ以上踏み込まないように わざと距離を保とうと必死なのに・・・。

 

「やっぱり こんな早くに 寝れるかってのォ ・・・少し 出てくる」

「や・・・待ってってば」

自分より早く回り込んで 襖の前でとうせんぼの形。

 

「襖の出入り口は ひとつじゃないってのォ」

「行っちゃ ヤダってば!」

反対側から 出ようとしても 駄々っ子のように引き止める。

「何様だ お前は!」

きつく凄んでも 立ち退かない。

ふーと息を吐いて

「カカシのヤツ・・・甘やかしおって」

「カ・・・カカシ先生は 関係ないってば!」

恩師の名前で 怯んだ隙に 襖に手を当てたが 反対側から押し戻す。

それでも 半ば意地になって 出て行こうとすると

 

「そんなに・・・オレと一緒に居るのイヤ?」

 

涙いっぱい溜めた瞳で 見上げる。

 

だからそうじゃないって。

 

無言を肯定と思ったようで すっと手を離し

小さな 小さな声で 

 

「・・・たら いいよ」

 

聞き取れない。

「何?」

 

「オレにキスしてくれたら 出ってていいってば」

 

今度は真っ直ぐ ワシを見て言った。

「・・・断る」

幾粒か涙が零れてしまって・・・。

「そんなに簡単に くれてやれるモノじゃ ないんだっての」

「軽い気持ちで 言ったんじゃないって・・・」

 

言いかけた唇を 手で塞いで

その上に自分の唇を落とした。

 

ナルトがこれ以上ないって程

大きな瞳を 更に大きくして固まってる横を抜けて

 

「参ったか 馬鹿者」

 

タン と軽い音をたてて 襖を閉じた。

 

 



毎日が〜の続きのようですが そんなつもりは無く・・・。
わじん様への捧げ文です。
ウチのジラナル中々進展ないですね・・・; 
でも どうか貰ってやって下さいまし。(返品可)
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松男さんからジラナル小説をいただきましたv
素敵すぎです!
自然な感じの自来也とナルトが萌え萌えっす!
所帯じみたジラナルが個人的に大好きなので、
もうもう!ありがとうございますvって感じです。
これほどのものがお返しできるか分かりませんが、こちらからも頑張って書きたいと思います。
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そしてこれからも どうかよろしくお願いします。



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