「ホスピスに見学に行けるのね」
![]()
取 材 新年の挨拶をした日。 地方紙のカメラマンが来ることになっていて 私たちは、Johnの家に集まっていた。 カメラマンは若い30代の男性。 Jenniferが、家族の説明をしている。 「TakaはRemiの夫、 Tedはコロラドから来たの。 このことをインターネットに出してくれた人よ、 あの人はHisayo、 she speaks very good English. (いい英語を話すわ)」 ん? そのことばだけ、しっかり聞こえた。 あ、そうお? お世辞でもうれしいわぁ。 実は…私。 あんまり英語に自信はありません。 本当です。 ききまちがいや ん?ってことはよくあります。 こう言えばよかったと、後から思うことなんて しょっちゅうです。 だから 素直にうれしいです。 でも、当のカメラマンは聞いちゃあ、いません。 フンフン,OKなんて テキトーにあいづちをうちながら 部屋の明かりを見たり カメラのレンズを取り付けたりに 忙しい。 もちろん、だれの顔も見ません。 余談だが 欧米人の好きなところ。 不必要に人を長く見ない。 これは小さいころからきちんとしつけられている。 とても失礼なことだから。 特に障害のある人に対してや 外国人などに対しては。 だからRemiはとても居心地がよかったのだ。 いいにつけ、悪いにつけ 個人主義は徹底している。 でも 押し付けがましくない 親切心は充分にある。 この記事を書くことになっている コラムニストは急に母親が病気とかで 来られず。 Jenniferが彼にほとんどのことを話してあるので 新聞に載る記事に、問題はないそう。 カメラマンがファインダーをのぞいて JohnとJennifer、そしてRemiがソファに 座って手を取り合っている写真を 何枚も。 そしてJillも加わってもう3,4枚。 どれを新聞に使うのかしら? 私たちだって ぽかぁんとしていられません。 彼らをあっちからこっちから。 右手にはクリスマスツリーのほのかな明かり。 後ろには暖炉。 「ハイ、笑って」なんて言われなくても アメリカ人はカメラに向かうとにっこり、が 当たり前。 JohnとJenniferに囲まれた 赤いセーターのRemiの 素敵な笑顔。 見ている私も 幸せだった。 カメラマンが道具を片付けていると 「これはいい機会だ」と誰かが提案して 10人の写真を、 それぞれのカメラで撮ってもらった。 彼はテーブルに並んだ5個ものカメラを 次々と、それも2枚ずつ 写して「どういたしまして」と言いながら さっさと帰って行った。 その写真はさすがプロ。 なかなか全体の構図、配置もよろしく。 |
![]()
おりづる 取材が終わって くつろいだJenniferが その部屋でピアノを弾いたり。 私もついでに「ふるさと」を ハーモニカで吹いて、Remiが歌ったり。 Takaさんはちょっと飲みすぎて 眠りこんでしまった。 そろそろ疲れもでるころよ。 普段着の ゆったりとした時間が流れる。 部屋の中はセントラルヒーティングなので、 真冬だということを忘れていられる。 暖房を入れているという意識すらしないほど。 シャツ一枚でOKなわけだ。 Cherylは先日、 私たちが日本の物を買いに行ったときに 自分用に、折り紙を買った。 どれがいいかしら? そうね、これがきれい。 あ、私もそれ好きよ。 何かを折りたいので、私とRemiに教えて、と。 え〜、鶴くらいしか折れないわ。 二人で顔を見合わせながら 少しずつ教える。 鶴はケッコ難易度が高い。 Cherylはちっとも会得できない。 Takaさんが覗き込んで 最初から“つる”ではねぇ。 いきなり上級なんだもん。 でもなんとか成功した。 彼女は先日の手紙に書いてあった。 それをキチンの籠に入れてある、と。 Remiと私がいっぱい折ったのだ。 私たちに、教えてもらいながら 共に何かをしよう、とする気持ちが 温かく伝わってきた。 Johnのうちの 部屋はどこも少しずつ開けてある。 ごらんになりたかったら、どうぞの雰囲気。 トイレはシャワーや洗面台と一緒の部屋 なのはあたりまえだが、 いつも少しだけドアを開けておくのが ルール。 それをつい忘れて、きちんと閉めてしまって Tedに注意された。 そうでした。 開けておかないと だれかが使用中と思われる。 ノックをしても、コンコンとノックをしかえすには トイレの位置がドアから遠いし。 コンコン、ハイ、の習慣はないのだ。 |
![]()
実は私… 私は旅先ではあまりよく眠れない方。 今回もかかりつけの医者に 風邪薬、胃腸薬 睡眠薬、頭痛薬などを3,4日分 処方してもらってきた。 毎日1錠ずつ催眠薬を飲む。 (催眠薬は2週間分) 疲れているのだから眠れるだろう、 日記代わりのメモをつけていて こんなにねむいのだもの、と たかをくくってベッドにもぐりこんだら …眠れない。 アレ? 私、こうして何かを思っているのだから 夢ではない。 アレマ、まだ覚醒してるじゃん。 そうなると もう夜半。 今からオクスリ飲んだら 明日すっきりと起きられるかしら、と ちぃと不安になるし。 今回の旅で、 私が体調崩したり 不調を訴えたりなんて もってのほか。 ここはさわやかにす〜いすいと いかなくては 一緒にきた意味がない。 と、このへんはわりと 私も普通にオトナなのである。 少しゆっくりとできた日には 夫、娘や息子、母、友人に 次々と、電話をかける。 空港でKDDスーパーカードを買ってあるし。 でも娘と息子は電話に出てくれなかった。 帰国してからの会話。 「なんで、でなかったのさ」 「だって、ヘンな電話番号だったしぃ…」 他の人たちとは ちゃんと話せた。 アメリカは寒いと聞いたけど、どう? うん、それがびっくりするほどに寒くはないの。 元気でいる? ええ、Remiたちも元気だし Johnたちもみんないい人で 申し分のない旅よ、 いまのところ。 じゃ、無事で帰国してね。 ありがとう、 てな具合。 電話しながらうきうきしてもいる私。 |
![]()
天国のエンジェル 昨日、帰り際にJenniferが言った。 「明日、あなたとRemiをホスピスにお連れするわ リバーサイドっていうところよ」 「えっ、ほんとう?」 「ええ、行きたいんでしょ」 「もちろんです」 二人して目を輝かせる。 これも実は日本からそうしたいと メールしてあったのだが 「予定しているわね」という 返事がなかったので 行けるのかどうかもわからず。 何も用意や勉強をしてこなかった。 というより 施設の見学くらいしかできないのは あたりまえだけれど。 でも中を見られるだけでもよかったわねぇ と、Remiと喜び合った。 案内してくれたスタッフの女性の説明によると 9床ほどの小さなホスピス。 ほとんどは、在宅患者だそうだ。 以前 こういう小さな家庭的なホスピスが 全米で、5000を超えると聞いたことがある。 そのどれにもボランティアが充実している、とも。 一日2時間のボランティア研修を 10回以上、うけてのことだ、とも。 サロンのような暖炉の燃える場所。 ソファがあり、庭も見渡せる。 キチンや空いていた病室をみせてもらったけれど、 広くて清潔だった。 お休みの日なのでボランティアはいなかった。 クリスマスツリーが、きれいに飾られ 刺繍のかべかけがフロントに。 下の写真がそれ。 ボランティアが刺したという。 ![]() リバーサイドホスピス 正看護師、医師、家庭健康援助者 チャプレン(牧師)ソーシアルワーカー、 精神医、セラピスト、栄養士 薬剤師…… そしてボランティア(ここだけ光って見えません) たち、すべての人は 天からのエンジェルです。 すべての人に神の御恵みを 一時間足らずの訪問。 訪れられたことはJenniferのおかげ。 ありがたかった。 だれにでもは 許可は、おりなかっただろう。 |